中国ではVPNを使わないとGoogle関連のサービスは利用できませんが、VPNを使ってGoogleMapを見たらどの場所が表示されるのでしょうか。
今回はGoogleやAppleがどのように位置情報を取得しているのかと、今後のGPSの活用場面を記事にしましたのでよろしければお付き合いください。
IPアドレスで位置を判断するサイト
まずはGoogle Mapの前に、IPアドレスだけで位置を判断するサイトを見てみましょう。
以下のサイトはIPアドレスから位置情報を取得して、場所などの内容を表示するサイトです。
VPNを使って下記のサイトに接続してみると、VPNサーバが置いてある場所の位置情報が表示されます。
「What is My Ip Address」(https://whatismyipaddress.com/)
画面上のポップアップをクリックして詳細情報を確認してみると、プロバイダ名だけでなく緯度や経度、郵便番号まで表示されることに驚くかもしれませんが、この数値は大まかな情報であるため、正確な情報は取得できません。
表示された地図を見てみると、赤枠内のどこかというレベルでしか位置情報は分からないんですね。
また当然VPNを使用した場合は、IPアドレスが変わるため、中国にいる場合でも日本のVPNサーバの位置が表示されてしまうんですね。
このようにIPアドレスだけでは、国や県レベルの地域は分かりますが、それ以上の位置情報は取得することができません。
ゲームや特定の国でしか利用できないサービスは、IPアドレスを元に判断しているのでVPNを使えば利用できるんですね。
VPNを使った場合のGoogleMapの位置情報
次にVPNを使ってGoogle Mapで自分の位置を表示した場合を見てみましょう。
Google Mapの場合は、VPNを使っているにも関わらず、現在の自分の位置が(若干のずれはありますが)表示されているかと思います。
Google Mapでは、VPNを使った場合でも現在のほぼ正確な位置が分かるようになっているんですね。
Google MapやiOSの地図では「IPアドレスを使用せずに位置を特定している」ため、VPNを使っても現在の正確な場所が表示されるんですね。
位置情報を取得する様々な仕組み
GoogleやAppleなどは複数の技術を組み合わせて位置情報を取得しています。
最近では位置情報取得の仕組みが多数ありますが、代表的なものを見てみましょう。
GPSシステムを使って位置を測定
スマホの登場でほとんどの人が知るようになりましたね。
地球の周りをまわっている人工衛星が電波を送信し、スマホやカーナビが受信するまでに掛かった時間や方向から位置情報を取得する仕組みです。
実際はアメリカの位置情報取得システムを「GPS」といい、国や地域ごとに色々な名称があります。最近打ち上げられた日本の位置情報取得システムを「みちびき(QZSS)」といい、誤差数センチという精度で話題になりましたね。
他にも各国や地域で複数の衛星測位システムが存在します。
国 | 測位システム名 | 精度目標 |
アメリカ | GPS | 10メートル程度 |
EU | ガリレオ | 4メートル以下 |
ロシア | グロナス | 5~7メートル程度 |
中国 | 北斗 | 1メートル |
インド | IRNSS | 20メートル以下 |
日本 | みちびき | 2メートル~数センチ |
引用:衛星測位分野の国際動向 – 内閣府(PDF)を元に当サイトで編集
WiFiを使って位置を測定
GPSの他にもWiFiを使って位置を測定する仕組みがあります。
WiFiの接続機器(ルータ)には個別の番号が振られていて、WiFi機器ごとにどの端末であるかが分かるようになっています。
またGoogleやAppleは、どのWiFiルータがどの位置にあるかという独自のデータベースを作成していて、各WiFi機器のおおよその位置を把握しているんですね。
WiFi端末の位置が分かっていると、IPhoneなどのスマホは、WiFiからの電波を受信できますので、その電波の強弱によって位置情報が分かるという仕組みです。
電話回線(基地局)からの距離で位置を測定
他にも電話回線で位置を測定する仕組みがあります。
複数の基地局から、スマホや固定電話までの距離を算出して場所を特定する仕組みですね。
総務省では、警察や消防などの緊急通報でもGPSと共に利用が義務付けられています。
なお184(番号非通知)を設定して発信しても警察署や消防署で強制的に位置を取得することができるんですね。
Bluetoothを使った位置の測定
GPSや電話回線では電波の悪い場所では、位置情報の精度が低くなってしまいます。
そこでデパートや地下街など屋内で最近利用され始めているのが「Bluetooth」を使った位置情報取得の仕組みです。
店舗に特殊な電波(ビーコン)を発信する機器を用意しておいて、スマホがその電波を受信した際にその電波の強さで位置を判定する仕組みです。
店舗はこれを利用することにより、店の場所を正確にスマホに教えることや、クーポンを送信することができるようになります。
IPアドレスで位置を判断しているわけではない!
このように地図などの位置情報取得の仕組みは、IPアドレスを利用しているわけではないため、VPNを使った場合でも正確な位置情報を取得できるようになっているわけですね。
昔は2chなどのサイトで「IPから住所特定するぞ!」なんて脅されることがありましたが、現実的にはIPアドレスから住所などの個人情報を取得することは不可能です。
IPアドレスから住所を特定するには、IPアドレスの取得→プロバイダの特定→警察などの開示権限を持った人が開示依頼→使用者の特定といった流れが必要となるため、私たち個人が他人の個人情報をIPアドレスから取得することはできません。
GPSの現在や今後
位置情報は地図アプリだけでなく様々な場面で利用されています。
・レンタルサイクル
現在でも中国や日本で利用が始まっていますが、レンタル自転車にGPS機能を搭載して、自転車がどの位置にあるか判断してアプリ上に表示してくれます。利用者は地図に表示された自転車の位置から場所を確認してレンタル自転車を利用することができます。
・ジョギングアプリ
複数のランニングアプリでGPS機能が利用されており、今後は更に正確にランニングの距離や経路を表示できるようになります。
・歩行ナビゲーション
カーナビでは最短ルートや渋滞状況を取得できるようになっていますが、今後は歩行ナビゲーションとしても利用が期待できます。
例えば、カーナビと同様に最短ルートを表示したり、車いす用のバリアフリー経路を表示したり、観光者用に観光ルートを表示するといった機能も考えられます。
・災害、遭難時の対策
災害時の避難所や避難経路、給水拠点や医療機関の場所など様々な活用が期待されます。
また正確な位置情報を利用できることにより、詳細な遭難場所の特定なども分かるようになるでしょう。
・車線変更や車間距離測定
GPSの位置精度が向上することによりカーナビの精度が上がったり、これから利用が期待される自動運転時の情報取得にも一役買ってくれると思います。
・ドローンや農業機械の自動化
農業のIT化も着々と進んでいますが、GPS機能を利用することによりドローンによる農薬散布の自動化や、収穫機器の自動化なども今後発展してくるでしょう。
・勤怠管理
現在でも企業微信などでは既にサービスの一つとなっていますが、位置情報を利用して勤怠打刻がアプリ上でできるようになっています。
まとめ
VPNは単純にIPアドレスを変えるだけなので、VPNを使った場合でもGoogle Mapでは正確な位置が分かるようになっています。
個人情報の観点から不安を覚える方もいらっしゃるかも知れませんが、ITのおかげで私たちの生活がより豊かになってきていることは確かですし、今後より発展していくことは間違いありませんので、上手にITと付き合っていきたいですね。
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