海外旅行で困る事といえば言葉の問題ですよね。早く「翻訳コンニャク」が実用化されることを毎日切望しているのですが、現時点ではまだまだ遠そうです。
しかし翻訳アプリの技術は日々進化しており、今回は2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて総務省が主導して開発している「VoiceTra」についてご紹介します。
この記事はこんな人たち向けに書いています。
- 中国旅行に行きたいけど言葉が不安
- 短期出張で中国に来る人
- 中国人と友達になりたい
1．VoiceTraとは
VoiceTraとはNICTが開発し2010年7月に公開された多言語音声翻訳アプリです。
総務省のサイトでも紹介されており、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて訪日する外国人を対象に
- 困っている外国人を助けたい
- 私たちの街のいいところを紹介したい
- 外国語を練習したい
といった、言語の壁を越えて「おもてなし」したいといった方達のための開発されました。
もちろん外国人向けだけでなく、私たち日本人が海外に旅行に行った際にも、日本語を英語・中国語・韓国語など30か国もの言語に翻訳してくれます。
また英語や中国語などを日本語にする機能もついており、海外旅行に行った際に言語の問題を解決してくれることができます。
Google翻訳は優秀なのですが、中国ではVPNなしでは使えないため、VPNに接続不要で音声翻訳を行ってくれる「VoiceTra」は非常に助かります。
VoiceTraを持っていけば中国旅行が怖くない！
2．VoiceTraのここがいいね！
最新のAI（音声認識、音声合成、機械学習技術）を使用している
いわゆるAI（音声認識・音声合成・機械学習）の技術を用いて、多くの人が使えば使うほど、翻訳の性能が上がっていきます。
入力だけでなく、話した「言葉」をそのまま翻訳してくれる！
VoiceTraは音声認識アプリのため、入力だけでなく普通にアプリに向けて話した言葉を翻訳してくれます。
使い方が驚くほど簡単！
翻訳に特化された機能のため、難しい操作がいらずお年を召した方でも自由に操作できる画面になっています。
研究目的で作成されたアプリなので全て無料！
「NICT」と呼ばれる我が国唯一の公的な研究機関が研究目的に開発しているため、アプリのダウンロードから利用に至るまで誰でも無料で利用することができます。
※ご利用にはインターネットに接続する必要があり、別途通信料が掛かります。
VPNに接続しなくても使える！
中国旅行を考えたときにVPNに接続する必要がないのはとてもうれしいですよね。
ポケットWIFIとVPNを契約している場合には、WIFIに接続してその後VPNにつないで……と2重に接続する必要はなく、例えば空港のフリーWIFIにつないだ後そのまま翻訳することができます。
履歴を1000件まで残せる！履歴参照はネットも不要！
もうひとつうれしいのが履歴機能。翻訳した言葉は履歴として残り、難度でも再表示することができます。
またその際、ネット接続が不要なため、事前に使いそうな言葉を履歴に残しておけば、飛行機内やネット環境が悪い場所でも利用することができます。
翻訳可能な言語数は31言語！
中国語、英語はもちろん、韓国語やタイ語、フランス語など複数の言語に対応しています。
3．VoiceTraのダウンロード数
2018年7月末時点で、2,000,000件（200万）ものアプリがIPhone、Andoroidでダウンロードされています。また翻訳回数は80,000,000（8千万回！）も利用されています。
VoiceTraのダウンロード数と翻訳回数 引用： VoiceTraサポートページより4．ここがデメリット！
1回あたりの翻訳で約100KBのデータ通信が発生する
音声データのやり取りを行っているため、1回の翻訳に約100KBのデータ通信が行われます。
10回で1MBなので、気にするほど大きなサイズではありませんが、日本のスマホを現地で使えるようにして持っていく（海外ローミング）場合には利用回数に注意が必要かもしれませんね。
インターネットにつながっていないと利用できない。（履歴は除く）
インターネットでサーバに接続して翻訳処理を行うため、ネットに接続していない場合は利用できません。先程も記載しましたが、ネット環境の悪い場所で利用する場合には、想定される会話を履歴に残しておき（1000件まで）利用するのが良いと思います。
利用可能なのはスマホだけ！
PCでは利用できません。まあ、海外旅行でPCを持ちながら散策する事はあまりないと思いますので、それほど大きなデメリットではないと思います。
5．例えばこんな使い方！
旅の醍醐味は交流！
日本でも海外でも旅の醍醐味って現地の人とつながることだと思うんですよね。
たまたまレストランで隣の席に座った外国の人と自由に話ができたら面白いですよね。もしかしたら現地の人しか知らないオススメの穴場も教えてもらえるかもしれません。
ただ今までは、その国の言葉を自由に使いこなせないと交流することは難しかったですが、VoiceTraを使えば簡単につながることができます。
勉強用にもVoiceTra
英語や中国語の音声を日本語に翻訳してくれる機能が付いているため、自分で外国語を発声してAIが正確に聞き取ってくれるかの練習をすることもできます。
発音の練習というと誰かに聞き取ってもらう必要があり、「自分の発音が不安」や「相手が聞き取れなかったらどうしよう……」といった不安が付きまといますが、VoiceTraではAI相手に発声するので、臆することなく発音の練習ができますよね。
まとめ
これまでですと、重たい辞書やガイドブック、電子辞書など海外旅行の必需品でしたが、これからは普段使っているスマホの中に「VoiceTra」を入れておけば、中国旅行でも臆することなく行けますね。
食べるだけで脳内翻訳してくれる「翻訳コンニャク」が理想ですが「VoiceTra」も秘密道具のひとつといっていいのではないでしょうか。
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